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牛歩庵―鍼灸師・中国語医療通訳/翻訳者のblog

「鍼灸はなんで効くの!?」「ツボって何?」

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逆水行舟

中国語に、

「学如逆水行舟、不進則退」
(学問は水の流れに逆らって舟を進めるようなもの、進まなければ退歩する)

ということわざがあります。

普段臨床の現場で治療をしていると、同じことが健康管理についても言えるなあと感じます。

治療とは水の流れに逆らって舟を進めるようなもの、進まなければ…

というわけですが、勉強とは違って、人がこの世に生まれてから否応なく乗せられているこの流れの終着点は「死」です。

程度の差こそあれ、誰もこの流れには逆らうことができないし、皆に等しくやってきます。

しかも、難しい病気にかかってしまったら、流れに逆らうことは極めて困難になります。同じ所にとどまっておくのがやっと、という場合も珍しくありません。

それでも、鍼一本、灸一つまみを櫂(かい)にして、木の葉のように脆い舟で激流を漕いでいかなければならない。どんな優秀な漕ぎ手でも、いつかは激流の終着点に来てしまう。

学問とは、永遠に目的地に辿り着くことのできない船旅であり、
健康づくりとは、いつかは流れの終着点に辿り着いてしまう船旅なのでしょう。

終着点までの旅路の間、少しでも美しい風景に気づけるように、旅の道連れのいる喜びを感じることのできるよう、岩にぶつかってしまわないよう、上手く竿を差すのが私たちの仕事なのだと思います。


(遠見書房 2012年 税込2,100円)

反応点治療の考え方、治療法、自宅でのケアが学べる書籍です。

出版社のサイトでまえがきを読むことができます
 

ハイネケンのネオンサイン

拍手[3回]

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Comment

無題

  • Masa@Shanghai
  • 2012-07-25 12:20
  • edit
比喩がとってもいいと思って、有意思!

日常めったに触れない「櫂(かい)」の言葉で、「はーるのうらーらーの」の歌を思い出し、「木の葉のように脆い舟」でお椀の船を漕ぐ一寸法師を思い出しw、さらに有意思!

「学如逆水行舟、不進則退」は、1回生の最後の授業の最後に、S先生が紹介してくれた言葉☆
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プロフィール

HN:
岡本悠馬
性別:
男性
職業:
鍼灸師・中国語翻訳者/医療通訳・講師
自己紹介:
神戸市須磨区妙法寺・南天はり灸治療院の院長・中国語翻訳者です。
2007年~2009年まで在外公館派遣員として中国上海に勤務。現在は翻訳者として活動しています。鍼灸では神経生理学に基づく治療を行います。反応点治療研究会所属。神戸市外国語大学非常勤講師。

手がけたもの:政治、軍事、経済、医薬、ソフトウェア取扱説明書、料理、紀行文、芸術展パンフレット、観光案内、中国語学習教材、古文(唐詩・宋詞など)、現代小説等。

メールアドレス:
okamotoyum★gmail.com(★を@に変えて送信)

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