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牛歩庵―鍼灸師・中国語医療通訳/翻訳者のblog

「鍼灸はなんで効くの!?」「ツボって何?」

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日中友好交流会 in 西宮

友人のダイ君(週刊プレイボーイ、東スポ、大スポ、weeklyworldnewsなどで活躍中の中国ジャーナリスト)に誘われて、西宮のカフェバー「インティライミ」で開催された「ラルース・パンダ会」という日中交流会に参加してきました。

スピーチをということだったので、上海で在外公館派遣員として働いていた時のことを少しだけ話しました。
興味を持ってくれる方がいれば、応募してみてほしいと思ったのです。


フリータイムでは、

香港居住歴10年で広東語の通訳をされている方や(これからディープな香港映画ワールドへ引き込まれていく予感がします)、
社会人で新しく中国語を学んでいる方、
大学1年生のフレッシュちゃんなどもいて、それぞれの立場から中国に携わっている、携わりたいという熱い思いを感じることができました。目の輝きが違う。
同じ場所、同じ時間に出会えたことに、強い縁の力を感じます。
私の訳した本を持っていた、なんて方もいて、本当に感謝です。

私もいつまでもビギナーのぺーぺー気分でいましたが、
気がつくと中国語を学び始めて10年が経とうとしています。

「ワタシゴトキガ」という気持ちはあるのですが、
土曜日お話していると、「参考になりました」と言って頂くこともたくさんあったので、
これからも少しずつ色々な情報を発信していけたらと思います。

「私はこんな勉強をしている」というのでも、おもしろがってくれる人がいれば、
役立ててくれる人がいれば嬉しいです。

主催者のダイ君、会場のインティライミさん(開店一周年おめでとうございます)、お会いした皆さん、ありがとうございました。

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外国語が勉強したくなる本

黒田龍之助先生の(面識はないけれど、あえて先生と呼びたい)『語学はやり直せる!』を読みました。

学生時代に『
外国語の水曜日』を読んで以来、この方の本は大体チェックしております。

数々の外国語にまつわるアヤシイ常識を、軽やかにひっくり返していきます。

初心者に限らず、ある程度できるようになった人も、「外国語はこういうものだ」という固定観念にはまってしまうことがあります。

そんなときに黒田先生の本を読みます。
どうやったら、学習を長く、楽しく続けられるか、たくさんのヒントが詰まっています。
何よりも黒田先生が誰よりも言葉の勉強を楽しんでいるので、読者はなんだか自分もできる、という気分になれるのでしょう。

読んでいるうちに、私にも何か新しい言語を学びたいという欲求が生まれました。
やりたい言語はあるのだけれど、今はちょっと封印しておこう。

学んだ言語の数だけ、人間らしくなっていく」という諺があるという。(p72)


外国語を学んでいても、なかなか身につかないし、世間で言うほどイイコトはないかもしれない。
それでも初めて「通じた!わかった!」という感動を味わえた人は、ずっと続けていけると思います。

理想論かもしれませんが、これから世界の中心は○○(ここには中国だとかインドだとか、中東などの言葉が入る)だから、○○語だ!とか、■■社が○○語を社員に義務づけ!などはあまり好きではありません。必要なことだとは思いますが。

私自身は英語があまりにももてはやされる「チヤホヤ言語」になっていることに反発を覚えて中国語を選んだら、10年ほどの間にいつのまにか中国語がチヤホヤ言語になっていて、「先見の明があったね」などと言われて戸惑うことがあります。

どんなに世間で注目されていなくても、自分の好きな外国語があって、ちょっとでもその言葉を話す人たちのことを知って、まだ行ったことのないその国に思いをはせる。
それは人間を理解する方法として、とても素敵だと思います。


黒田先生の本では、先に挙げた『外国語の水曜日』の他、『
その他の外国語』もおすすめです。
なんだか人を食ったタイトルですが、いわゆる「マイナー言語」への愛がほとばしる本です。装丁もかわいらしい。(私はこういうマークとか、家紋とかがいっぱいならんだ図柄が妙に好きだ)


逆に外国語学習をきびしい修行だと感じさせてくれる本に、『
英語達人塾』・『英語達人列伝』(斎藤兆史・著)があります。
この本は反対の方向から語学のおもしろさ、奥の深さを感じさせてくれるアツイ本です。
プロを目指す方なら、読んでおいて損はありません。「達人とはここまでやるものなのか」と、先人の努力と情熱に胸を打たれ、自分の甘さを痛切に感じることができるでしょう。

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冥利

先日も書きましたが、中国語指導を初めて1ヶ月余りが経ちました。

生徒さんのモチベーションも高く、みるみる上達しています。

基本的に私の教え方は、教科書をどんどん音読してもらい、覚える。

そして覚えた表現を会話に応用する。

という、ごく基本的な方法です。

まだ初中級なので、教科書の対話は、「学校はどこですか」式の取るに足らない内容ですが、二人で役割を決めて何度も読んでいるうちに興が乗ってきて、どんどん盛り上がってきます。

過剰な演技が入ったりして笑いが起こることもしばしば。

大学生の時に中国語でお芝居をしていたことを思い出します。


この間、中国語の文章を読んでもらったら、綺麗な発音でものすごくすらすらと読めていたので驚きました。素晴らしい!

自分の上達を喜ぶ顔を見せてもらえれば、教える方はその何倍も嬉しい。

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日本人が教える外国語

来週から個人指導で中国語を教えることとなりました。

どうやら最近では、

「語学はネイティブに教わるべき」

「赤ちゃんの心で学ぶ」


という考え方も下火になってきたと思うのですが、改めて自分の考え方を書いてみたいと思います。

ネイティブ(だけ)に教わるというのは、ある程度学習が進み、カタコトでも何とか意志の疎通ができるようになってからでも遅くないと思います。

もちろん、日本人、外国人どちらの教師もいてくれるというのが理想なのかもしれませんが、それほど恵まれた環境にいる人はまれでしょう。

手前味噌で言うわけではありませんが、新たに外国語学習を始める場合は、日本人教師に教わる利点は大きいと思います。

まず初期のうちに勉強する言語の構造(=文法)や、発音の仕方などを母語で説明してもらえるので、言語の「核」、あるいは「土台」となる部分の形成が比較的短時間ですみます。

ネイティブとして生まれた人は、頭が真っ白な赤ん坊の間に、何年も何年も、親や周囲の人の言葉シャワーを浴びて、徐々にこれを形成するわけです。
翻って私たち。色々な知識や常識、羞恥心などで、よごれっちまった悲しみを抱えて日々を暮らす我々オトナにそれを求めるのは酷というものではないでしょうか。オトナにはオトナのやり方があるのです。

そして、

「発音ができる人=耳がいい人、センスのある人」

と思ってはいませんでしょうか?

確かにそのような人は存在しますが、せいぜい一クラスに一人か二人でしょう。中学や高校で、やたらと英語の発音がエクセレントだったクラスメイトを思い出します。

しかし人類が生まれてこの方数百万年、筋肉や骨格は人種によって、時代によってそれほど大きな違いはないのです。

つまり、きちんとした筋肉の使い方が解れば、いわゆる「ネイティブっぽい」発音を習得することは、それほど難しいことではありません。

きちんとした舌の動かし方と位置、口の開け具合をわかるように説明してもらえれば、自分の口は結構思いどおりに動いてくれます。

試しに自分の舌で、歯を一本一本触ってみて下さい。

ね?ちゃんと動かせるでしょ?

どのように舌を使うのか、口はどんな形でどの位開けるのか、それは日本語できめ細やかな説明をしてもらった方が解りやすいのではないでしょうか。

「そうそうそう、そこでキモチ唇を開き気味にして、舌は上の歯の付け根に軽く当てて、音を出すと同時にぱっと放すんです。閉じた舌で息をせき止めておいて、一気に開放するイメージです。はい、舌にはあんまり力入れなくていいですからね。そうそうそうそう、今のでOKです」

相手の出す音を聞き分けて、その都度これぐらいの説明をさらっとしてあげられる。

日本人教師もかつては、というよりも現在進行形で同じ言語の学習者、つまり同志なのです。
自分が散々苦労して会得した文法知識、発音のコツ、それらは血となり肉となり、その人に宿っているのです。

目の前にいる生徒が、何につまづいているのか、過去に自分はどうやってそれを乗り越えてきたのか、きちんと解っている、心に留めている教師ならば、きっとその生徒を正しい方法で高いレベルに引き上げることが可能でしょう。

すでに何人にも教えてきましたが、教えるということで、教えられることの方が多いなあと思います。

私も新たな気持ちで臨みたいと思います。

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プロフィール

HN:
岡本悠馬
性別:
男性
職業:
鍼灸師・中国語翻訳者/医療通訳・講師
自己紹介:
神戸市須磨区妙法寺・南天はり灸治療院の院長・中国語翻訳者です。
2007年~2009年まで在外公館派遣員として中国上海に勤務。現在は翻訳者として活動しています。鍼灸では神経生理学に基づく治療を行います。反応点治療研究会所属。神戸市外国語大学非常勤講師。

手がけたもの:政治、軍事、経済、医薬、ソフトウェア取扱説明書、料理、紀行文、芸術展パンフレット、観光案内、中国語学習教材、古文(唐詩・宋詞など)、現代小説等。

メールアドレス:
okamotoyum★gmail.com(★を@に変えて送信)

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