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牛歩庵―鍼灸師・中国語医療通訳/翻訳者のblog

「鍼灸はなんで効くの!?」「ツボって何?」

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翻訳とは時の流れのうたかたなり

近頃夜更かし三昧になってしまったので、眠気覚ましに錠剤のカフェインを飲んだりしていました。あれはやたらと効きます。

当然のことですが、眠気は取れても頭がバシっと冴えるわけではないので、もう使いたくありません。

薬局で400円で買えてしまっていいのだろうか。毎日買っていく人もおるらしい。

もう少し効率よく、集中して仕上げる力がないと、この仕事を長く続けることはできないと思いました。


『翻訳家じゃなくて カレー屋になるはずだった』(金原瑞人)という本を読みました。印象(最初に「陰証」と変換されるのが非常にいまいましい)に残った一節:

(引用始め)

翻訳の寿命は長くて二十年。これを過ぎたものは、新しい人が訳し直すほうがいい。最近、つくづくそう思う。「スクラップ・アンド・ビルド」はまさに翻訳本のためにある言葉といっていいだろう。
翻訳は、ただ単に新しいというだけで、十分にその価値があるのだ。(「翻訳の寿命」より)

(引用ここまで)

翻訳などは単なる「その場しのぎ」であり、「不朽の名作」などと言われる古典であっても、その時代の人々に合う形で新しく訳される方がいい、という意見に、なるほど、と思いました。

確かに、いかに古典とはいえ、100年くらい昔の日本人が書いた「マア、出し抜けに現れたと思たら、何といふことを言ふのだ。兎に角お前はここで待つてゐたまゑ」のような、今の私たちにしてみればいやに古風な文章を延々と読まされるのはかなわない。

それが日本人が日本語で書いた作品であれば、時代の空気感も含めて味わうことができますが、その時代に訳された外国作品を当時の日本語の文体で読まなければならない理由はないといえます。古い文体はそれなりに読んでいて面白いですが。

翻訳とはあくまでも仮の姿である、ということに、儚さと同時に希望を感じます。
古今東西の名作たちは、その時代その時代で一番美しい日本語をまとい、何度も脱皮を繰り返しながら永遠に生きるというわけです。


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Comment

無題

  • のりたか
  • 2010-11-17 11:53
  • edit
将来また新たな弟子が増えるね。

無題

  • ゆうま
  • 2010-11-17 23:19
  • edit
>のりたか
弟子なんて今は考えられんけど、そういう人が現れたら歓迎しようと思ってる。
おれは色んな師匠に恵まれたしね。
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プロフィール

HN:
岡本悠馬
性別:
男性
職業:
鍼灸師・中国語翻訳者/医療通訳・講師
自己紹介:
神戸市須磨区妙法寺・南天はり灸治療院の院長・中国語翻訳者です。
2007年~2009年まで在外公館派遣員として中国上海に勤務。現在は翻訳者として活動しています。鍼灸では神経生理学に基づく治療を行います。反応点治療研究会所属。神戸市外国語大学非常勤講師。

手がけたもの:政治、軍事、経済、医薬、ソフトウェア取扱説明書、料理、紀行文、芸術展パンフレット、観光案内、中国語学習教材、古文(唐詩・宋詞など)、現代小説等。

メールアドレス:
okamotoyum★gmail.com(★を@に変えて送信)

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