『手仕事の日本』柳宗悦(岩波文庫)という本を読んでいます。
戦後まもなく(1948年)に出版された本で、北から南まで、全国各地の民芸品をただひたすらに紹介しています。
まだ読み終えていませんが、煙管、寄せ木細工、ひしゃく、火箸、箪笥、鯉のぼりや将棋の駒など、豊富な挿絵の掲載された、楽しい本です。
昔は家にもこんな道具がたくさんあったことを思い出します。
とても優しさのある文章は、読んでいるだけで、職人が丁寧にひとつひとつ作った工芸品の肌触り、においまでもがイメージできるような気がします。
最初に出版されたのが、1948年ですから、すでに失われてしまったものもあるのでしょう。
近頃の私のテーマも、「手を使う、体を使う」、ということです。
鍼灸はもちろん手仕事なので、手の感覚は常に磨き続けなければなりません。
他にも気に入った文章を書き写したり、読書のときもあえて音読をします。
一滴一滴、一文字一文字を体に染みこませるように。
「指先だけで何でも検索できてしまう現代、私たちはもっと自分の身体を云々……」
という流れになってしまいそうですが、白いノートが字で埋まっていくのが単純にうれしいし、声を出すのが楽しいのです。
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