出勤途中、地下鉄の座席で鍼灸の本を読んでいました。中国で買ってきた参考書を。
ページを眺める視界の片隅で……
一人分スペースの空いた隣に座るおじいさんが、何やらこちらを見ている。
なんだろな、
と思っていると、するするっと隣にやってきて、しきりに私の本をのぞき込んでいる。
「そんなに中国語が珍しいのかな?中国マニアかな?それともこの人鍼灸師なのかな?話しかけてみようかな?」
と思っていると、おじいさんがチョイチョイとつついてきて、中国語で。
「君は中国人なのか」
と尋ねてきました。
「いいえ、日本人ですよ」
と答えて、今は夜間の学校で鍼を勉強していること、大学で中国語をやっていたことなどを話すと、何だか随分と興味を持ってくれたようで、名刺を一枚もらいました。
すでに定年退職しているそうで、その名刺の会社にはもう勤めてはいないそうな。
外国人登録証まで見せてくれて、うちから割と近い所にお住まいのようでした。
しばらく話し、おじいさんは途中の駅で下りていきました。どこへ行くのだろう。
なんだかおもしろくて、私は一人、残された車内でにやにやしていました。
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