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牛歩庵―鍼灸師・中国語医療通訳/翻訳者のblog

「鍼灸はなんで効くの!?」「ツボって何?」

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ついにローラー鍼購入

パソコン仕事が多くて視力が落ち気味です。加えて近頃の乾燥で目がシパシパします。

今日授業前に10分ほど目の周囲に鍼を打ってもらい、ローラーをかけてもらったところ、ものすごく視界がクリアになりました。ぼやけていたカレンダーの数字もくっきり。

毎日少しずつ、「薄紙を重ねるように」目が弱っていたことを感じます。
作業効率も少しずつ落ちていました。

鍼でいきなり視力を回復させることは困難ですが、日常の蓄積された疲労を取り去る力は十分にあります。継続することでより良い状態を維持していれば、文字通り生活に明るさがもたらされることと思います。

今日は私もローラーを一本注文しました。ずっと借り物を使っていたので…

2月中旬頃に到着するとのこと。

このアイテム、考えに考えて作られている。
手になじむ程よい重さは、子供のころ夢中になった「超合金」というワードを思い起こさせる。
黄金色に輝く回転部分。
はっきりいって美しい。
眺めていて飽きない。
突起部分は痛くなく、心地よい刺激を安定して与えられ、しかも静か。
キュラキュラ音がしない。
持っているとなんだかうれしい。←日常で使う医療機器としてこれは大事だと思います。

文字での表現には限界がありますので、そのすばらしいフォルムについてはサンリ治療院の舟橋先生のこちらの記事をご覧下さい。

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肌と心と脳みそと

 『鍼灸忍法帖』を名乗りながら、いつも「翻訳忍法帖」や「中国語忍法帖」なので、たまには羊頭狗肉をやめてみます。

『子供の「脳」は肌にある』(山口創・著)という本を読みました。

著者はたくさんの実験、研究を引用しながら、思いやりのある心を育てるためには、幼児期にたくさん肌に触れられるという体験が必要だと主張します。

幼少期にたくさん抱っこしてもらい、求めるだけの愛情を注いでもらった子供は、自分が受け入れられ大切にされているという自信を強めることができるので、むしろ依存性を低め、感情的にも安定し、対人関係においても積極的になる傾向がある、ということです。

これだけ読めば、単なる子育て指南書だと思われるかもしれませんが、「肌」というテーマに関して示唆に富む記述が数多くありました。
一番興味を引かれた部分だけを引用します。

肌着というのは、それを着た直後ならば柔らかさを感じるが、十分も経つと意識することはなくなる。ところがその刺激は、皮膚を通じて脳に影響を与え続けているのである。目に見えないわずかな着心地の悪さが、無意識のうちに脳に悪影響を与えていることになる。(p61)

意識に上らないほどの弱い刺激が続けて入力されることで、身体が変わりうる。
頭をよぎったのはローラー鍼と、皮内鍼という鍼です。
ローラー鍼は皮膚の上をコロコロと転がして使います。子供用の鍼として使われるという認識が多いようですが、反応点治療では大人の治療にも活用します。
皮内鍼は、極小の鍼を皮膚の特定の部位に貼り付け、テープで固定するものです。頭の部分は竜頭になっているので身体に潜り込むことはなく、貼り付けている最中に痛みも感じません。

近年では皮膚の研究が進み、それとともに皮膚という視点から鍼が効くメカニズムを科学的に解き明かす動きも活発になりつつあるようです。

人体最大の『臓器』であり、身体に与えられる刺激を受け取り、自ら「考え」活動していることがわかってきた皮膚、そこにアプローチすることで治療効果を引き出す鍼灸。
今後もこの分野がいわゆる「伝統医学」の枠から飛び出し、新たな世界を切り開いていくであろうことを思うと、胸が高鳴ります。これがときめきというものでしょうか。

あまりにもおもしろそうすぎて、自分の筆力でこのワクワクを表現しきれないのがもどかしい。今後もお伝えする努力をしていきたい。

本書では他にも身体をほぐすことの心に対する作用、人に触ってもらうことの意義など、多くのヒントをもらいました。

関連する書籍として
『第三の脳』(傳田光洋・著)なども読みやすくておすすめです。



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9956人パラレルワールド

湯浅和海さんという学校の後輩が、twitterにおもしろいことを書いていた。

彼の文章はよーくよーく考えられていて、いつもすごいなあと思う。
皆がぼんやり考えつつも、めんどくさくて何となく流してしまう、そんな気持ちを、力を振り絞って言語化している。

---以下引用---
一人暮らしの家事というのは、「未来の自分(出来上がったご飯を食べてる自分・綺麗に畳まれた服を着る自分・清潔な部屋で寝る自分)」に対する「今の自分」からの「贈り物」だと僕は思ってます。というのも、「違う時間に同じ場所にいる人」はそれが「自分」であったとしても「他者」だからです。

一人でも、その都度「お母さん」になったり「子供」になったりしてると、自分に対して「ありがとう」と言いたくなるときがある。実は「自分」というのは、それ自体が一つの「家庭」で、「時間を隔てた多数の自分」が連帯することで維持されているのだと思う。
---引用終わり---

 
一人暮らしの家庭だけでなく、生きてからこの世を去るまで、自分というのは一人ではなく、毎日毎日が別人になっているのだと考えればおもしろい。

朝、目覚めるのは昨夜ヘトヘトになって布団にもぐりこんだワタシではなく、似ているけれど少しだけ違う新しいワタシ。

昨夜のワタシが仕事を中途半端にやっていたせいで、締め切りも間近だというのに全然原稿ができていない。昨夜のワタシの引き継ぎのまずさ、ふがいなさにあきれかえりつつ、火事場の馬鹿力でなんとかやってのけ、一息ついて勉強し、その調子でバリバリと一日を過ごし、充実の一日を終え、目を閉じる。翌朝目覚めたワタシは、前日のワタシがとりわけ優秀でずいぶん貯金を作ってくれたおかげで仕事もなく、左うちわ状態、結局ダラダラと新しい仕事もため込んで…

日によって優秀なワタシとそうでないワタシ、鬱状態のワタシにスーパーマンのワタシが現れて、明日へ明日へと人生を運んでいく。一人のワタシを作るメンバーたちだから、顔から声までそっくりだけれど、少しずつ能力も性格も違っている。


生まれてから今日までの日数を計算してみた。

今日こうしてなんとか生きている私は、9956人のワタシによる共同作品だ。

順調にいって80歳くらいまで生きられるとして、あと20000人くらいが控えのベンチに座って出番を待っている。

一人で歩く道、けれども後ろには全部で30000人の「時間を隔てた多数の自分」がついている。

そう考えると、ときに孤独な人生も、さびしくないかな。

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聴く中国語2月号が発売されました

 latest.jpg

聴く中国語2月号が発売されました。
今月号は春節時に各地で行われる「廟会」の特集です。
「縁日」と訳されることが多いこの行事、伝統的大道芸や買い物、食べ物が楽しめるもの以外にも、スポーツを楽しんだり美女コンテストが行われたりと、賑やかなことが大好きの中国らしい縁日です。

今年の春節は2月3日です。大晦日の晩に繰り広げられるあのすさまじい花火が懐かしいものです。

この雑誌、一年間しっかりとこなせば中国語力は目に見えて上達します。

留学をひかえている学生の方におすすめするのは、しっかりと「聴ける耳」、「音を出す筋肉」を作ってから現地へ行くことです。
いわゆる「○○語脳」的なものは私にはどういうものかよくわかりません。
耳と発音は、きちんとトレーニングを積めば誰でも習得できます。

-----
昨日の記事をもう一度眺めていました。
>自分にとってはつまらない、取るにたらんと思えることに足をすくわれて泥沼にはまっている人を、賢くないと思うのだろう。相対的に。

という部分、自分にとっては大きな問題ではないと思えることに苦悩する方を軽んじるような表現だったかもしれません。
恥ずかしいですが、これも戒めとして残しておくことにします。

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賢くなりたいですか?

「 賢くなりたい」、というのは悩ましい欲望だと思う。
「いろいろ知りたい」という欲望であれば、本を読んだり学校に行ったりすれば、相応にいろいろ知ることができる。
だが、賢くなる方法というのはあるのだろうか。
本を読む、というのは賢くなる方法の一つとして数えられるかもしれないけれど、
本をよく読んでいろいろ知っている人が必ずしも賢いと思えるかというとそんなことは全くなくて、むしろ余計な知識を持っているがゆえに救いようのないアホになってしまうこともある。

賢くなる、というのは何だろう。

私は、今よりも苦しみを減らすことだと思う。

できないことができるようになった。
いつもの半分の時間で仕事ができるようになった。
許せなかったことが許せるようになった。
関心のなかったものを愛せるようになった。

それはすべて、自分を不自由にしていた状態、苦しめていた状態からの脱出だ。

だから、自分よりもうまく生きられる人、優れた考えを持つ人を賢いと思うし、逆に、自分にとってはつまらない、取るにたらんと思えることに足をすくわれて泥沼にはまっている人を、賢くないと思うのだろう。相対的に。


たくさん物事を知っていて、頭の回転が速い人はその分人よりうまく世の中を渡ることができる確率が高まるので、
知識が多い/頭の回転が速い=賢い
とされるのだろう。


賢くなりたいと思わない、というのが、一番賢い人なのだろうか。

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プロフィール

HN:
岡本悠馬
性別:
男性
職業:
鍼灸師・中国語翻訳者/医療通訳・講師
自己紹介:
神戸市須磨区妙法寺・南天はり灸治療院の院長・中国語翻訳者です。
2007年~2009年まで在外公館派遣員として中国上海に勤務。現在は翻訳者として活動しています。鍼灸では神経生理学に基づく治療を行います。反応点治療研究会所属。神戸市外国語大学非常勤講師。

手がけたもの:政治、軍事、経済、医薬、ソフトウェア取扱説明書、料理、紀行文、芸術展パンフレット、観光案内、中国語学習教材、古文(唐詩・宋詞など)、現代小説等。

メールアドレス:
okamotoyum★gmail.com(★を@に変えて送信)

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