わざわざブログを開設して、実名で書いている意味は何だろうか。
何となく日常で思ったことを当たり障りなく書いて、自慢できることがあったら自慢して、なんとなく読む人にアピールするためのものでよいのだろうか。
あわよくば、ちょっとすごいなどと思ってもらえればラッキー、などと、浅ましい欲を満たすためのものでよいのだろうか。
何か真剣なものをぶつけて、それが大間違いだったり、
誰かがとうの昔に言っていた、ごくありきたりなことだったり、
自分の知性の低さを露呈するものだったり、
人を傷つけるものだったり、
本当に思っていることを書けない、言えない理由とは、そのようなことの発生を恐れる気持ちであるわけです。
日常生活でも、本当に思っていること、言いたいことを言えなかったことで、失敗することが多々あります。
そのような失敗は、他の人より多いという自信があります。何の得にもならない自信が。それが自分に足りない力だということにすら、長い間気づかなかった。
今時の若者、と言えるのかもしれない。もう27だが。
私が名乗っているこの「翻訳者」という職業は、言語Aを使う人々と、言語Bを使う人々をつなげるコミュニケーターです。
そのような仕事をする人間が、「言いたいことが、どういうわけか言葉にならなくて……」では、お話にならない。
山芋ハンターが、「山芋はちょっとネバネバしてるから、なるべく噛まないように食べます」と言っているのに等しい(と思う)。
突然、山芋ハンターという職業が脳裏をよぎったのだが、山芋ハンターという職業は本当にあるのかな?
幼くてもよい。本当に思っていることを書きたい。どうせ今日の自分は人生で一番幼いのだから、幼いのは仕方ない。自信満々で自説を開陳できる日など、来そうもない。
ほんとのほんとのほんとのことは、内緒のノートに書くかもしれないが、このブログ上には、本当のことを書きたい。
世に数多くいるブログ書きの人たちが、何の宣言もなく、いともたやすく、人によっては毎日毎日行っている行動が、私にとっては若干の勇気を必要とする行動だった。
ここにこうして、本当のこととして、記録しておく。
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