花が咲いて、不覚にも美しいと思った。
美しいものには、わたし、がない。
うつくしいという言葉を知らない。
うつくしくなりたいと思わない。
チューリップもヒマワリも、その辺の小さな白い花も
自分がチューリップだということも、ヒマワリだということも、
その辺の小さな白い花だと思われていることを知らず、
じぶん、とは何か、ということも知らないアホである。
ただただただただダラダラタラタラと、在って、在って、在り続ける。
誰に望まれたわけでもなく、別にいいのにわざわざ芽を出し
何もせず、何も成し遂げず、ただ踏みつぶされて、散る。枯れる。ゴミになる。
何も知らず、何を知ろうともせずに
在る
巨大で賢く、物知りな高等生物の私、素晴らしい私が、堂々たる足取りでお通りになる。
白い花は、私の、土一粒の羨望も知らず、
今日も、踏み潰されている。
[5回]
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