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牛歩庵―鍼灸師・中国語医療通訳/翻訳者のblog

「鍼灸はなんで効くの!?」「ツボって何?」

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芸術の秋、しちゃってるboy

昨日は夙川にあるギャラリーSHIMAへ、中学校の時に美術を教えてもらった丸尾宏一先生の個展を見に行きました。

アトリエのHPを発見して、思わず手紙を書いてみたところ、ご案内のハガキを頂いたのです。

リンク先をご覧頂ければわかりますが、あまりにも精緻な絵なので、「どうやって描いているんだろう」と思い、ここぞとばかりにめいっぱい接近して鑑賞していました。

10cmくらいの距離で眺めると、滝の水しぶきや木漏れ日の部分はただの白い線と点なのに、離れて見るとものすごい立体感と空気感が生まれてくるのは、本当に不思議だ。やっぱり生で見ないとわからない。

絵画教室の生徒さんや、私と同じように中学校で教えてもらっていた人たちも来ていました。

先生にお会いするのも約11年振りでしたが、覚えていて下さったのが嬉しかったです。

同級生の近況や、以前の担任の先生が来たことなども聞かせていただき、なつかしのひとときでした。次回も楽しみだ。

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贅沢

『中国に学ぶ』(宮崎市定・中公文庫BIBLIO)という本を読んでいます。
面白い一節があったのでご紹介します。

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さる男が貧乏暮らしにつくづく愛想をつかし、一心不乱に神様に呼びかけて願かけした。

「決してぜいたくは申しませんが、どうかその日その日の暮らしにだけ困らないように、一生ご加護くださるようにお願い申します。金持ちになろうなどとは夢にも思いません」

あまり熱心に祈るので、神様が姿を現したが、さて、きっと形を改めて申すよう、

「なんとお前はぜいたくなことを申すヤツじゃ。過ぎたこともなく、足りないこともないという暮らしは、万人が望んでもなかなか達せられない生活の極致であるぞよ。それは神仙の境地だ。そんな高望みをすてて、金持ちになりたいとか、それがいやなら、今のままの貧乏でいたいとか、考え直して改めて願かけするがよいぞ」

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(引用おわり)

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本当宣言

 わざわざブログを開設して、実名で書いている意味は何だろうか。

何となく日常で思ったことを当たり障りなく書いて、自慢できることがあったら自慢して、なんとなく読む人にアピールするためのものでよいのだろうか。

あわよくば、ちょっとすごいなどと思ってもらえればラッキー、などと、浅ましい欲を満たすためのものでよいのだろうか。

何か真剣なものをぶつけて、それが大間違いだったり、

誰かがとうの昔に言っていた、ごくありきたりなことだったり、

自分の知性の低さを露呈するものだったり、

人を傷つけるものだったり、

本当に思っていることを書けない、言えない理由とは、そのようなことの発生を恐れる気持ちであるわけです。

日常生活でも、本当に思っていること、言いたいことを言えなかったことで、失敗することが多々あります。

そのような失敗は、他の人より多いという自信があります。何の得にもならない自信が。それが自分に足りない力だということにすら、長い間気づかなかった。

今時の若者、と言えるのかもしれない。もう27だが。

私が名乗っているこの「翻訳者」という職業は、言語Aを使う人々と、言語Bを使う人々をつなげるコミュニケーターです。

そのような仕事をする人間が、「言いたいことが、どういうわけか言葉にならなくて……」では、お話にならない。

山芋ハンターが、「山芋はちょっとネバネバしてるから、なるべく噛まないように食べます」と言っているのに等しい(と思う)。

突然、山芋ハンターという職業が脳裏をよぎったのだが、山芋ハンターという職業は本当にあるのかな?


幼くてもよい。本当に思っていることを書きたい。どうせ今日の自分は人生で一番幼いのだから、幼いのは仕方ない。自信満々で自説を開陳できる日など、来そうもない。

ほんとのほんとのほんとのことは、内緒のノートに書くかもしれないが、このブログ上には、本当のことを書きたい。

世に数多くいるブログ書きの人たちが、何の宣言もなく、いともたやすく、人によっては毎日毎日行っている行動が、私にとっては若干の勇気を必要とする行動だった。

ここにこうして、本当のこととして、記録しておく。

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気功の先生ご紹介

 神戸在住の気功の先生をご紹介します。

楊震傑(よう しんけつ)先生の「関西中国気功研究会」です。
昨年鍼灸学校で楊先生に気功を教わり、以来親しくおつきあいをさせて頂いています。
気功による生活習慣病予防、リハビリテーションへの応用を提唱されており、神戸を中心にいろいろな場所で講師をなさっています。

気功と聞くと、何か手からオーラを出す訓練を思い浮かべるかもしれません。かくいう私がそうでした。

もちろん、「気」を感じることも大切なのですが、呼吸法、無理のない体の動かし方を身につけられることが非常に有益です。

ゆっくりとした動作と呼吸を、丁寧に丁寧に練習していきますので、腰が悪い方も膝が悪い方も無理なく行えますし、体力のあり余っている人は負荷を強くかける運動も可能です。

楊先生は日本生まれの気さくで陽気なおじさんです。「陽気」というのは気功の先生として一番大事なことかもしれません。(ちなみに「陽気」は中医学用語でもあるのです)
神戸市北区で治療院も開いておられますので、ご興味ある方は一度のぞいてみてください。

【関西中国気功研究会】
http://www.eonet.ne.jp/~health-info-site/kikoutop.html

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すべてはこの中に

 今、僕の目の前に、料理の本が一冊ある。中華料理の本だ。適当にページを開いてみる。「スープの種類」が目に入った。上湯、毛湯、頂湯、白湯という四種類が紹介されている。どうやらそれぞれに用途は異なるらしい。
僕は、今、四種類のスープがあるということを知った。
知識が一つ増えた。

だが、知識が増えるというのは何だろう。一つのコップから別のコップに水を移すのならわかりやすい。物質の移動があるからだ。
しかし、僕の脳の中に、「知識」という物体が入ってきたのではない。
さっき文字を見たときに、何か物理的なものが頭に侵入してきたかと尋ねられれば「いいえ」と答える。さらに不思議なことに、コップの水を移し替えるのとは違って、本に書いてある事柄も消えていない。

頭の中で回路がつながった、ということらしい。バラバラに存在していた一個一個のニューロン(神経細胞)が、目から入ってきた文字情報を受けて興奮し、お互いに手を伸ばしてシナプス結合をし、情報(電気信号)の交換を始めた。それが「わかる」「知る」の正体らしい。

僕たちの頭脳の中には、産まれた時から「全て」が入っているようだ。全て人間の知識、智慧というのは、ニューロンの組み合わせで決まるということらしい。

しかしそれでも僕にはわからない。なぜニューロンがつながれば、「わかった」ことになるのか。

よく考えればコンピューターも同じだ。ネットにつながっているからといって、ケーブルから何かがじゃんじゃん流れ込んでくるわけではない。電気信号がなにやらピコピコやっているだけだ。
それでも私が見ているスクリーンには、この世のどこかにあるらしい、見たこともない風景が映し出されている。これも細かく見れば、赤青緑の光の点の集合でしかない。その組み合わせが、「画像」なるものを作り上げ、私たちが「風景」として認識している。

何かを「わかる」ということも、これと同じことだろうか。一つ一つでは意味のない情報が、ある規則をもって組み合わさることで、そこに「意味」が生まれる。
意味を与えるのは、僕たち自身だ。

それでは、「意味」とはどこでどうやって決めるものなのだろうか。やはりわからない。

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プロフィール

HN:
岡本悠馬
性別:
男性
職業:
鍼灸師・中国語翻訳者/医療通訳・講師
自己紹介:
神戸市須磨区妙法寺・南天はり灸治療院の院長・中国語翻訳者です。
2007年~2009年まで在外公館派遣員として中国上海に勤務。現在は翻訳者として活動しています。鍼灸では神経生理学に基づく治療を行います。反応点治療研究会所属。神戸市外国語大学非常勤講師。

手がけたもの:政治、軍事、経済、医薬、ソフトウェア取扱説明書、料理、紀行文、芸術展パンフレット、観光案内、中国語学習教材、古文(唐詩・宋詞など)、現代小説等。

メールアドレス:
okamotoyum★gmail.com(★を@に変えて送信)

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