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牛歩庵―鍼灸師・中国語医療通訳/翻訳者のblog

「鍼灸はなんで効くの!?」「ツボって何?」

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花粉症・鼻炎の治療(実験?)

朝から生姜をすり下ろし、お茶パックに入れてビニール袋に入れる。

そして出勤。
業務の合間、職場の女性上司に美容針。目の疲れ、しわを取るための場所に小さな針を入れて15分ほど置く。これからできるだけ続けてみることになった。

勤務終了後、学校へ。
今日は一時間目がないので、二限まで自主練習。

例によって見よう見まねの「督脈通陽法」で花粉症、鼻炎退治をする。

灸頭針(針を打ってその上にもぐさを巻き付け、燃やす方法、針を通じて心地よい熱が体内に伝わる)を行おうとしたら、もぐさの重みに針が耐えきれないようで、たわむたわむ。

火をつけることもできず、あえなく断念する。あとで先生に聞いた話では、5番から8番くらいの太い針でないと灸頭針は無理らしい。
近頃は太い針をいやがる人が多いので、細い針を打った上から棒灸をかけたり、針の脇に台座灸を据えたりするとよいとのこと。

なので例によって人肌程度に温めておいた生姜パックを首の付け根(大椎)と胸元(中府)に置いて、顔面部の攢竹、四白、上迎香、頬車に置針、お腹の反応点がある場所に五カ所ほど置針、中脘(胸骨下端とへその中点)あたりにゴリゴリしたものがあるので、その辺りにお灸、足三里にもお灸。

たぶんきちんと中医学的弁証のできる人から見れば、随分デタラメな配穴なのだろうと思う。

これだけやるのに1時間15分くらいかかった。
終わった後はもうくたくた。
やはり生姜パックはよく効くようで、授業が終わって帰る時も首回りがぽかぽかすると言ってもらえた。それだけが救いである。

これを一日中やる職業につくのだから、自分の気力を保ち続けられないと大変だわ。

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週末は友人を治療(実験?)

まだ針を打ち始めて7ヶ月、素人に産毛が生えたような私の治療を受けに来てくれる友人。

高校時代からの友達なので、もう10年の付き合いがある。
逆に言えば10年くらいの付き合いがないと、いきなり身を任せてはくれないだろう。

大学院受験のために働きながらコツコツ勉強し、いろいろと家庭の事情も重なって大変な思いをしたらしい。今年めでたく合格し、春からは晴れて法律家のタマゴである。

これといって悪いところ、痛いところはないというが、「やる気がでない、睡眠が不規則、気力がほしい」、と言う。

とりあえず腰を触って「そこそこ!」と言う部分に針を打ち、筋肉をほぐす。

背中の正中線を走る督脈を触っていくと、陶道、身柱、神道、霊台、つまり胸椎のあたり全部に圧痛がある。

それらに置針し、さらに百会(頭のてっぺん)と上星(前髪の生え際から一寸上)にも針を打つ。

さらにストレスがあると痛くなるという膻中(左右の乳頭を結んだ中点)を触るとやはり痛がるので、そこにもお灸。

あとは風邪の予防に、大椎と足三里にお灸をすえる。

施術後は背中や胸を押しても痛くなくなっていたので、彼は驚いていたが、本当は私の方が驚いていた。本当に痛くなくなるんだね……

「アタマがすっきりした」と喜んでくれた。これで良かったのかな。


こないだからの利き手改造計画は順調で、左手でうどんも食べられるようになった。近頃は二日に一回はうどんを食べているから上達も早いのである。
針も左手で打てるようになったので、シナプスさんがぐいぐい成長してくれたのだろう。健気なやつだ。

土曜日には梅田で「関西中医鍼灸研究会」に参加してきた。
講義して下さった藤井先生の生姜パックというユニークな治療法を、翌日さっそく頑固な鼻炎に苦しむ別の友人に試してみると、「温かい、気持ちいい」と好評であった。
おこがましい考えなのかもしれないが、この人の鼻炎は、絶対に私が治したいと思っているのだ。



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週末は新開地へ

日曜は大学の語劇祭を見に行きます。

語劇祭というのは
、外国語学部の各専攻語で年一回上演されるお芝居のイベントのこと。我が母校では語劇にはまった挙げ句に人生を狂わせる人間が多数存在する

今年は例年より一月近く早いようだけど、練習は大丈夫かな?



語劇は、

本番前一ヶ月で、徐々にプレッシャーがかかり、舞台で台詞を忘れる夢を見るようになる。

本番前三週間で、決まらない演出にやきもきするようになる。

本番前二週間で、「もう本当に無理なのではないか」という恐怖が四六時中頭を離れなくなる。

本番前一週間、もう何がどうなろうとお構いなし。まさに「狂」の一文字である。

後輩たちの狂いっぷりと、涙を、楽しみにしています。



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ミラーワールドへの招待

思うところあって、今、左手を鍛えている。

鍛えるといっても腕立て伏せをしたりダンベルを挙げているわけじゃなくて、

左手を自由に使えるように練習している。

しかしこれが素晴らしくエキサイティング。見慣れた世界がチャレンジの連続で息つくヒマもない。

食事の時に唐揚げはつかめないわ、駅で小銭は落とすわ、肩はこるわで、脳内のシナプスがメリメリと音を立てながら新しくつながってゆくのがわかる。
右手と左手に宿っている人格は、異なっているようだ。


翻訳原稿完成。来週から校正に入る。

年末の北京・天津行きが決定。また本を仕入れてこなければ。

それよりもまず、今あるのを読まなければならん。

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職業は凧揚げです

今週は翻訳三昧で、自宅でも事務所でも、起きている時間は学校を除いてほとんどパソコンとにらめっこ。

雑誌記事三本、台湾戸籍、新聞記事、そして次の本

授業中によく気を失いかけてグラグラになっているので、クラスの人に笑われる。
ほんまにちょっとリズムとペースを考えないと、本末転倒になってしまう。

書籍の方はおかげで分担部分を一通り訳し終わり、始めに戻って文章を確認している。

彫刻で大まかに形を作ったものを、ヤスリがけして木くずを払い、余分な部分を削って輪郭を際立たせるような心持ちです。

やり過ぎると「角を矯めて牛を殺す」ことになるのだけれど、生きている牛さんと違って、電子データは殺しても何回も生き返る。
基本的に手を入れれば入れるほど、良くなってくるのがわかるので、この作業は楽しい。


「原文」という地面に、糸で縫い止められつつも空を華麗に舞う「凧」を揚げているような思いがする。
見えなくなってもいけないし、低い所を飛ばすだけでは少しも楽しくない。敢えてトリッキーな動きをして、見ている人をはらはらさせたり。

あくまでも原文があるので、そこから外れてはいけないのだが、そうした制限のある中で、どれだけ自由な表現ができるかがおもしろいところだと思う。


正解はどこにもない。

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プロフィール

HN:
岡本悠馬
性別:
男性
職業:
鍼灸師・中国語翻訳者/医療通訳・講師
自己紹介:
神戸市須磨区妙法寺・南天はり灸治療院の院長・中国語翻訳者です。
2007年~2009年まで在外公館派遣員として中国上海に勤務。現在は翻訳者として活動しています。鍼灸では神経生理学に基づく治療を行います。反応点治療研究会所属。神戸市外国語大学非常勤講師。

手がけたもの:政治、軍事、経済、医薬、ソフトウェア取扱説明書、料理、紀行文、芸術展パンフレット、観光案内、中国語学習教材、古文(唐詩・宋詞など)、現代小説等。

メールアドレス:
okamotoyum★gmail.com(★を@に変えて送信)

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