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牛歩庵―鍼灸師・中国語医療通訳/翻訳者のblog

「鍼灸はなんで効くの!?」「ツボって何?」

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道具のはなし・鍼(1) 鍼のサイズ

最近、「鍼灸を勉強したい」という方に出会ったり、「どうやって治療しているのですか」と尋ねられることが多くなってきました。

慣れてくるにつれて、技術が向上してくるにつれて、ごくごく基本的なことを忘れてしまいがちになります。

自分の知識を整理するためにも、鍼灸という学問を少しずつ整理してみようと思います。

まず、鍼(はり)についてです。
普段私たちがどのような鍼を使っているか、ご紹介してみましょう。

f049a34e.JPGこれが私が普段使用している鍼です。
大きさの比較のため、上に綿棒を置いています。かなり細いことがわかります。細いので、非常にしなやか。よくイメージされる縫い針とは全然違います。 
鍼にも用途に応じて様々なサイズがあり、写真のものは業界用語で「寸3 1番」といいます。世界共通用語に直しますと、太さ0.16mm、長さ40mmとなります。
太さの例えとして、よく「髪の毛よりちょっと太いくらい」と言われます。


d4e17d77.jpeg このようなパッケージに100本、200本入りで入っています。
 サイズが大きく表示されています。

 大体100本入りで600円くらい。有名なメーカーですとこの2倍くらいです。今はすべての患者さんに一回ずつ使い捨ての鍼を使用します。





ちなみに、長さ(鍼体長)を表す「寸3」というのは1寸3分の略で、
 
1寸―30mm
1寸3分―40mm
1寸6分―50mm
2寸―60mm  となっていきます。
 
そして、太さ(鍼体径)は番号で表されます。

1番―0.16mm
2番―0.18mm
3番―0.20mm
4番―0.22mm と、0.02mmずつ増加していきます。

美顔用の鍼には「0.12mm」という、この表でいえば「マイナス1番」とでもいうような細いものもあります。もちろん、太いほうが身体に与える刺激は強くなります。

これは日本での呼び方で、中国ではまた違った分類をしています。

 
任天堂ロゴ・ネオンサイン

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『はり灸師が教える ツボ刺激による自己ケア』ご紹介

タイトルをご覧になって、どんな本を想像しただろうか。
 
「○○の病気には、▲▲のツボを押すと良い」といったことが書かれていると思ったのではないだろうか。
 
そして、「ツボ押し健康法ならネットにいくらでも載ってるし、雑誌の記事でもよく見かけるから、いまさらね…」と、感じたかもしれない。
 
上のような印象を抱いた方にこそおすすめする本である。
 
本書は、そういった第一印象を、確実に裏切る。
 
「ツボ刺激による自己ケア」と銘打ちながら、よく知られる「百会」や「合谷」、「足三里」といったツボの名前も出てこない。そもそもツボとは押すものですらない。では、どうするか。
サブタイトルの「皮膚から検索」というのがその答えだ。
 
私たち鍼灸師が患者さんたちに提供しているのは、単に体をスッキリさせたり、一時的な苦痛を取り除くための治療ではない。
 
それは、鍼や灸、深い医学の知識がなくても、自分の身の回りの人たちを幸せにすることのできる「手当て」の知識なのである。少なくとも私はそう考えている。
 
これからは間違いなく税金だって保険料だって医療費の負担額だって、どんどん上がっていくのだ。
誰だって、できるだけ病院の世話にならず、いつか必ず訪れる最期の日まで笑って生きていたい。毎晩「今日も生きてて良かったな」と思いながら、目を閉じたい。
自分の口で好きなものを食べたいし、好きなところに自分で行きたいし、読みたい本、見たい映画、会いたい人だってたくさんいる。
 
だが、それはただ漫然と日々を過ごし、なんとなく体に良さそうなことをしてみたり、話題の健康食品を食べているだけでは、届かないものなのだ。
そのことに、もうみんな薄々感づいているはずだ。
 
でも、いくら普段からのケアが大事だからといって、鍼のことはよく知らない人が多いし、第一身の回りに鍼灸師という職業の人は極めて少ないのが現実だ。
治療院に行くのだってタダではない。だからこそ、自分自身で健康を手に入れる必要がある。
 
そもそも歯は毎日2度も3度も磨くのに、なぜ体はほとんどの人がほったらかしなのか。
自分の体から発せられているサインに応えれば、健康は自分の手でたぐり寄せることができる。
そして、その方法は、それほど難しくないことがわかる。
 
本書には、頭痛から心臓の病気、不妊に至るまで、およそ生きていれば誰もが経験したり、見聞きしたりする病気に立ち向かうための知識が、これでもかとばかりに盛り込まれている。
必要なのは、自分の手だけだ。
 
本書は、反応点治療研究会の鍼灸師たちが、神経生理学に基づく治療理論によって、膨大な数の患者さんたちを救ってきた実践から生まれた渾身の一冊である。
 
「どこか調子が悪い、何かヘンだ…」、はなぜ起こるのか。
「触れるだけでわかる」私たちが、体の中にある何を見ているのかがわかって頂けるはずだ。
 
自分の体でも、パートナーの体でも、そんなことができると想像すれば、ワクワクしてこないだろうか。
驚きながら、楽しみながら、自分でできて、一生使える手当ての技術がわかれば、「生きていて良かった」と思える日がきっと増えるだろう。
本書を片手に、もう片方の手で自分の肌に触れてみよう。
 
「健康で生きていることさえできれば、あとはどうにかなる」
 
少し乱暴かもしれないが、私が鍼灸師になった理由の一つだ。
自分の体はもちろん、その手の届く限り、周囲の大切な人たちを守ることができれば、どんなに厳しい時代になっても笑って暮らしていけると信じている。
もちろん、内容についての質問、相談も大歓迎である。


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河村廣定・著
 
(遠見書房 2012年 税込2,100円)

出版社のサイトでまえがきを読むことができます。

ネオンサイン通販店・格安

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インプット病からのリハビリ

毎朝3km程度歩いているのですが、今日は夜にも同じくらいの距離を歩きました。

朝は「この時間を生かして」ということで、iPhoneのラジオアプリで中国語圏のラジオを聞きつつ、シャドウイング(音声に続いて同じ事をしゃべる、通訳の基礎トレーニングの一つ)をしています。最近はつぶやく声が大きくなってきて、面の皮が厚くなってきたことを感じます。嬉しいことです。

今夜は何もせず、ただ歩きながら物を考えることにしました。

歩くだけ、というがなんとなくもったいないのでは、と思ってしまうのはもはや一種の病気でしょうか。スキマ時間でとにかくインプットを、という欲にかられます。
昔は中断するのが惜しくて、歩きながら本を読んでいたこともありましたが、さすがに危ないのでやめました。

「考えることにする」、といっても人間は考えないことなどできないので、嫌でもいろいろと考えてしまいます。
とりとめのないことばかりが風景とともに流れていきますが、思考の川面に一本だけ竿を立てておくと、アイデアの塊がときどきひっかかることがあります。
それはほとんどの場合、ゴミやただの水草なのですが、時に素敵なヒントに化けることもあるのです。

家に帰って、覚えていて、なおかつ気が向けばどこかに書き留めておく。忘れてしまっていれば、それまで。
そのくらいの気持でいるのがちょうど良いと思っています。


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7月にうつ病治療の鍼灸師向け講習会が開催されます

鍼灸師の先生、学生さんへのお知らせです。
7月22日(日)、名古屋大学鶴舞キャンパスにてうつ病の治療をテーマに講演会が開催されます。
 
神経生理学的な観点から、鍼灸師としてうつ病に向き合うためのヒントが得られることでしょう。私も参加を予定しております。
 
以下、案内です。
 
(社)全日本鍼灸学会
愛知県鍼灸学会・反応点治療研究部会 
認定研修C講座
 
日  時: 平成24年7月22日 (日曜日) 
13時30分~16時 (開場 13時)
 
場  所: 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65
  名古屋大学 鶴舞キャンパス 
鶴友会館 大会議室 (JR鶴舞徒歩7分)
   
 
第1部   演 題: うつ病を考える
~神経生理学からのアプローチ~  
講師:  河村廣定先生 (歯学博士・神戸東洋医療学院学科長)
講演時間:13時30分~15時
 
 
第2部   症例報告: うつ病の治療 (2題 予定)
時間: 15時15分~15時45分
 
その後、質疑応答、事務連絡など 16時終了予定
認定ポイント数:1点(第1部のみ)
 
参加費: 
全日本鍼灸学会  
正会員 1,000円  
一般 2,000円
 
学生会員  500円  
一般学生1,000円 
 
注意: 参加受け付けは当日のみですので、事前の申し込みはご不要です。
 
連絡先: 愛知県鍼灸学会・反応点治療研究部会 
〒500-8409 岐阜市幸ノ町1-16  サンリ治療院:舟橋寛延
メール:guputa@fine.ocn.ne.jp  電話・FAX:058-267-4489 

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早すぎるわが子への謝罪

鉢植えのバジルを購入して、むしり取った葉っぱを料理に使っている。
家に置き始めた当初はなんだか葉っぱがだらーんとしなだれていたので、何が悪いのか、肥料がいるのかと頭をひねっていたけれど、ただ太陽に当てていなかったために元気がなかっただけのようだ。
朝、外に出してやるとたった一日でピンピンのツヤツヤになっていた。動物とか植物を育てるための知識が、もはや小学生以下になってしまっている。幼稚園児の方がもっとまともに世話できると思う。
 
生き物といえばムツゴロウさんこと畑正憲、最近著作を読みあさっている。
自分が生まれる前に出版された本がほとんどだから、ほとんどがAmazonで1円、古本屋で100円で投げ売りされている。極めてリーズナブル。本ほどその質と価格が比例しないものはこの世にない。
僕は胸を打たれた箇所のページに付箋を貼ったりカドを折ったりするのだが、『ムツゴロウの青春記』などは折り目だらけになった。ノートにも数ページにわたって書き写した。
 
畑氏の父親は独学で医学の勉強をして国家試験に合格した意志の人であるが、受験勉強中の生活費は妻や子供(正憲氏)が働いて稼いでいたという。正憲氏はその時代を振り返ってこう書いている。
 
[引用はじめ]
一番苦しかったのは父であったろう。息子たちを働かせ、しかも自分は金を使って勉強している。世間の常識とはまったく逆である。その精神的苦痛は想像にあまりある。
普通なら、
「ついに俺には達成できなかった。だから息子たちよ、お前たちが存分に勉強してくれ」
と言うはずである。これが現在の教育ママや教育パパの発想である。が、これほど自堕落な、愚劣な発想があろうか。
私はいくつになっても、ひたむきに生きる人を尊敬する。一ミリでも一センチでもいい、じりじりと夢へと這っていく人を。
息子に夢を託すというのは、生活の放棄であり甘えである。そういう心根で息子や娘に楽をさせても、ロクな結果が生まれるものか。現状にふさわしい所で、常に前を向いて歩くことこそ大切なのである。私は、自分の父が、家庭を一切顧みずに勉強したことを誇りたい位だ。
[引用おわり]
 
一年また一年と、生きてきた時間が長くなるにつれて、責任が増えてくるにつれて、「限界」がチラついてくる。
自分ほどの年齢の者がそんなことを思うのは笑止千万、人生の先輩たちに笑われてしまうだろうことは、十分理解しているはずなのだが、「私の人生ではここまでしかできないだろう、なぜなら…」という言い訳をいつのまにか用意し始めているのである。人生最大の敵はこいつである。
 
というわけで、僕は自分の子供(登場日未定)には苦労をかけることになると思うので、本人が不在の間にここで先に謝っておこうと思う。

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プロフィール

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岡本悠馬
性別:
男性
職業:
鍼灸師・中国語翻訳者/医療通訳・講師
自己紹介:
神戸市須磨区妙法寺・南天はり灸治療院の院長・中国語翻訳者です。
2007年~2009年まで在外公館派遣員として中国上海に勤務。現在は翻訳者として活動しています。鍼灸では神経生理学に基づく治療を行います。反応点治療研究会所属。神戸市外国語大学非常勤講師。

手がけたもの:政治、軍事、経済、医薬、ソフトウェア取扱説明書、料理、紀行文、芸術展パンフレット、観光案内、中国語学習教材、古文(唐詩・宋詞など)、現代小説等。

メールアドレス:
okamotoyum★gmail.com(★を@に変えて送信)

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