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牛歩庵―鍼灸師・中国語医療通訳/翻訳者のblog

「鍼灸はなんで効くの!?」「ツボって何?」

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日中友好交流会 in 西宮

友人のダイ君(週刊プレイボーイ、東スポ、大スポ、weeklyworldnewsなどで活躍中の中国ジャーナリスト)に誘われて、西宮のカフェバー「インティライミ」で開催された「ラルース・パンダ会」という日中交流会に参加してきました。

スピーチをということだったので、上海で在外公館派遣員として働いていた時のことを少しだけ話しました。
興味を持ってくれる方がいれば、応募してみてほしいと思ったのです。


フリータイムでは、

香港居住歴10年で広東語の通訳をされている方や(これからディープな香港映画ワールドへ引き込まれていく予感がします)、
社会人で新しく中国語を学んでいる方、
大学1年生のフレッシュちゃんなどもいて、それぞれの立場から中国に携わっている、携わりたいという熱い思いを感じることができました。目の輝きが違う。
同じ場所、同じ時間に出会えたことに、強い縁の力を感じます。
私の訳した本を持っていた、なんて方もいて、本当に感謝です。

私もいつまでもビギナーのぺーぺー気分でいましたが、
気がつくと中国語を学び始めて10年が経とうとしています。

「ワタシゴトキガ」という気持ちはあるのですが、
土曜日お話していると、「参考になりました」と言って頂くこともたくさんあったので、
これからも少しずつ色々な情報を発信していけたらと思います。

「私はこんな勉強をしている」というのでも、おもしろがってくれる人がいれば、
役立ててくれる人がいれば嬉しいです。

主催者のダイ君、会場のインティライミさん(開店一周年おめでとうございます)、お会いした皆さん、ありがとうございました。

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透明人間を目指す

健康な状態というのは、体が体として認識されず、まるで自分の体が周りの空気と溶け合ったかのような解放感にあることではないでしょうか。

健康な人が歩くとき、足は足として認識されません。「歩きたい」という意志だけで体が前へ運ばれていきます。

何らかの問題をかかえると、途端に足は片側10kg、計20kgの長い棒に変わります。

体から問題が消えると、今まで自分に向けられていた意識が外へ向きます。他の人を思いやる余裕も生まれ、何かに打ち込むこともできる。

「健康づくり」とは、自分の体を見えなくして、世界に目を向けるための過程といえるのではないでしょうか。

 

しかし、ご存じの通り私たちの置かれた環境は、この体を自由なままで放っておいてはくれません。

 

細菌、ウイルス、ストレス、タバコや自動車で汚れた空気、などなど、いろいろな「病気の元」が侵入し、体は戦いを強いられています。病気との戦いそのものは私たちの知らないところで自動制御で行われていますが、当然その分体の注意はそちらに向かっています。

 

パソコンのウィルスソフトが起動してウィルスを駆逐している状態をイメージしていただけるとわかりやすいと思います。

 

バックグラウンドでなにやらカリカリと動いて、問題は解決されているらしい、でも、その分自分が意識を振り向けているワープロや表計算の作業は遅くなって、なにやらもたついている。

「体が重い」「なんだかしんどい」というのはまさに体がこのような状態に置かれているわけです。

反応点治療では、治療者が訓練を積んだ指先感覚で体表に触れ、問題の在りかをかなりの精度で突き止めることができます。体表に現れた「反応点」に鍼を打ち、お灸を置いて柔らかな刺激を加えてやることで、体が元の状態に戻ろうとする力を引き出しているのです。

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花と素晴らしい私

花が咲いて、不覚にも美しいと思った。



美しいものには、わたし、がない。



うつくしいという言葉を知らない。



うつくしくなりたいと思わない。



チューリップもヒマワリも、その辺の小さな白い花も



自分がチューリップだということも、ヒマワリだということも、

その辺の小さな白い花だと思われていることを知らず、

じぶん、とは何か、ということも知らないアホである。



ただただただただダラダラタラタラと、在って、在って、在り続ける。



誰に望まれたわけでもなく、別にいいのにわざわざ芽を出し



何もせず、何も成し遂げず、ただ踏みつぶされて、散る。枯れる。ゴミになる。



何も知らず、何を知ろうともせずに



在る



巨大で賢く、物知りな高等生物の私、素晴らしい私が、堂々たる足取りでお通りになる。



白い花は、私の、土一粒の羨望も知らず、



今日も、踏み潰されている。

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医療通訳研究会(MEDINT)に参加してきました

 西宮市で開催された医療通訳研究会(MEDINT)の医療講座に参加してきました。

今回のテーマは「総合診療」でした。
体調が悪くなったときに最初に駆け込む「ホームドクター」として初期診断のコツ、重要注意事項など、短い時間でしたが今後の勉強のヒントになる事柄が満載でした。

私は初めての受講でしたが、講師の松本先生は、一方的な講義ではなく、
参加者との掛け合いの中でレクチャーを展開していくというスタイルでした。
スライドに映し出される患者さんの症状を見て、質問するべき事柄、予想される疾病などの質問が次々に飛び、ぼんやりすることなく二時間を過ごすことができました。

このような研修会は知識を得る、今後の学習のヒントをつかむ、ということ以外にも、様々なバックグラウンドを持つ方たちとの交流があるのが魅力です。

冒頭で受講者一人一人の自己紹介がありましたが、
看護師、通訳ガイド、会議通訳者、刑務所で通訳をされていた方、公共団体勤務の方などがおり、ひとりひとりにじっくりお話を伺ってみたいくらいです。
専門言語も英語、スペイン語、中国語、ポルトガル語、ベトナム語など、実に多様で、中国語だけの世界に留まっていてはもったいないなと感じた次第でした。

今回のテーマ「総合診療」ですが、
鍼灸師の専門は一般に肩こり、腰痛だと思われがちです。
実は整形外科的疾患以外にも、さまざまな症状に悩まされる患者さんが治療院にいらっしゃいます。
特に私が行っている
反応点治療は、肩こり、腰下肢痛などから、それを引き起こす内臓疾患を指先感覚によって見つけ出して治療することを得意としていますので、各種疾患に対するホームドクター的な役割が求められることとなります。
しかも治療の際には一時間つきっきりということもありますから、その間に患者さんから発せられる様々な質問に対しても、説得力ある説明をすることが求められます。
師からもいつも言われていることですが、実感のこもった言葉をかけるためには、
教科書の丸暗記ではいけない、他人の受け売りではいけない、
色々な現場で自らの血肉にした知識(まさに「血識」)が求められるのだと思います。

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ヘルニアのはなし2 神経はマイクロフォン

 『ヘルニアのはなし1』の続きです。

さっそくですが問題です。
下の画像をご覧下さい。(画質が良くないのでクリックしてご覧下さい)

IMG_0381.JPG


声を出したとき、音を拾うのはどの部分でしょうか?


言うまでもなく、①の部分です。
どんなに声を張り上げたところで、②や③は音を拾ってはくれません。

それでは、次の画像をご覧下さい。腰の辺りの脊髄(背骨)を輪切りにした図です。
赤い斜線の入った部分が神経、背骨の中で丸く固まっているのが脊髄です。
(私の心のこもった手書きなので、絵がマズイのは多めに見て下さい)

IMG_0382.JPG

椎間板というのは、背骨の間にあるクッションのことでした。
椎間板ヘルニアとはこのクッションの中にある「髄核」というものがはみ出し(これをヘルニアという)、神経を圧迫することで痛みが起こるといわれています。

しかし、神経とは上の画像のマイクと同じで、先端の部分からしか情報を拾うことができません。
先端にある、情報を拾う部分を「受容器」といいます。
その他の部分(「軸索」といいます)はマイクのコードのように絶縁されており、外から情報は入ってきません。

つまり、①の部分、すなわち神経の末端が伸びている皮膚や筋肉に痛みの原因があります。
②や③の部分で痛みなどの情報が入力されることはありません。
神経は、情報のやりとりをするために中枢(脳や脊髄)から伸びているので、
情報収集を担当する先端の受容器以外の場所から情報が流れ込んできては意味をなさなくなってしまいます。

マイクも監視カメラも電話の受話器も、情報をキャッチするのはすべて先端ですよね?

絶縁されているコードの部分は非常に強固に神経繊維をくるんでいますので、ちょっとやそっとのことで壊れることはありません。
そんなにもろい代物であれば、ちょっと走っただけでブチブチ切れてしまいます。現実にはそのようなことは起こっていません。

万一、神経がなんらかの障害を負った場合、起こるのは「麻痺」です。
「痛み」ではなく何も感じなくなります。
痛みを訴えている方は、少なくとも神経は正常に働いているというわけです。

それでは痛みを発している原因は何か?
神経の末端が伸びている筋や皮膚以外にありません。


本当にヘルニアが原因であれば鍼灸師の出る幕はないでしょう。
鍼でヘルニアが戻ることはなかなか考えられません。(私に神通力がないかもしれませんが…)
しかし、ヘルニアで腰が痛いという方にも鍼は効いてしまいます。
腰が痛くない人にも結構な割合でヘルニアがあります。

ヘルニアと腰痛は無関係。
「脊柱管狭窄症」、「坐骨神経痛」も同様に、神経の圧迫が原因ではありません。

神経は圧迫されても痛みません。

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プロフィール

HN:
岡本悠馬
性別:
男性
職業:
鍼灸師・中国語翻訳者/医療通訳・講師
自己紹介:
神戸市須磨区妙法寺・南天はり灸治療院の院長・中国語翻訳者です。
2007年~2009年まで在外公館派遣員として中国上海に勤務。現在は翻訳者として活動しています。鍼灸では神経生理学に基づく治療を行います。反応点治療研究会所属。神戸市外国語大学非常勤講師。

手がけたもの:政治、軍事、経済、医薬、ソフトウェア取扱説明書、料理、紀行文、芸術展パンフレット、観光案内、中国語学習教材、古文(唐詩・宋詞など)、現代小説等。

メールアドレス:
okamotoyum★gmail.com(★を@に変えて送信)

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