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牛歩庵―鍼灸師・中国語医療通訳/翻訳者のblog

「鍼灸はなんで効くの!?」「ツボって何?」

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肌と心と脳みそと

 『鍼灸忍法帖』を名乗りながら、いつも「翻訳忍法帖」や「中国語忍法帖」なので、たまには羊頭狗肉をやめてみます。

『子供の「脳」は肌にある』(山口創・著)という本を読みました。

著者はたくさんの実験、研究を引用しながら、思いやりのある心を育てるためには、幼児期にたくさん肌に触れられるという体験が必要だと主張します。

幼少期にたくさん抱っこしてもらい、求めるだけの愛情を注いでもらった子供は、自分が受け入れられ大切にされているという自信を強めることができるので、むしろ依存性を低め、感情的にも安定し、対人関係においても積極的になる傾向がある、ということです。

これだけ読めば、単なる子育て指南書だと思われるかもしれませんが、「肌」というテーマに関して示唆に富む記述が数多くありました。
一番興味を引かれた部分だけを引用します。

肌着というのは、それを着た直後ならば柔らかさを感じるが、十分も経つと意識することはなくなる。ところがその刺激は、皮膚を通じて脳に影響を与え続けているのである。目に見えないわずかな着心地の悪さが、無意識のうちに脳に悪影響を与えていることになる。(p61)

意識に上らないほどの弱い刺激が続けて入力されることで、身体が変わりうる。
頭をよぎったのはローラー鍼と、皮内鍼という鍼です。
ローラー鍼は皮膚の上をコロコロと転がして使います。子供用の鍼として使われるという認識が多いようですが、反応点治療では大人の治療にも活用します。
皮内鍼は、極小の鍼を皮膚の特定の部位に貼り付け、テープで固定するものです。頭の部分は竜頭になっているので身体に潜り込むことはなく、貼り付けている最中に痛みも感じません。

近年では皮膚の研究が進み、それとともに皮膚という視点から鍼が効くメカニズムを科学的に解き明かす動きも活発になりつつあるようです。

人体最大の『臓器』であり、身体に与えられる刺激を受け取り、自ら「考え」活動していることがわかってきた皮膚、そこにアプローチすることで治療効果を引き出す鍼灸。
今後もこの分野がいわゆる「伝統医学」の枠から飛び出し、新たな世界を切り開いていくであろうことを思うと、胸が高鳴ります。これがときめきというものでしょうか。

あまりにもおもしろそうすぎて、自分の筆力でこのワクワクを表現しきれないのがもどかしい。今後もお伝えする努力をしていきたい。

本書では他にも身体をほぐすことの心に対する作用、人に触ってもらうことの意義など、多くのヒントをもらいました。

関連する書籍として
『第三の脳』(傳田光洋・著)なども読みやすくておすすめです。



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プロフィール

HN:
岡本悠馬
性別:
男性
職業:
鍼灸師・中国語翻訳者/医療通訳・講師
自己紹介:
神戸市須磨区妙法寺・南天はり灸治療院の院長・中国語翻訳者です。
2007年~2009年まで在外公館派遣員として中国上海に勤務。現在は翻訳者として活動しています。鍼灸では神経生理学に基づく治療を行います。反応点治療研究会所属。神戸市外国語大学非常勤講師。

手がけたもの:政治、軍事、経済、医薬、ソフトウェア取扱説明書、料理、紀行文、芸術展パンフレット、観光案内、中国語学習教材、古文(唐詩・宋詞など)、現代小説等。

メールアドレス:
okamotoyum★gmail.com(★を@に変えて送信)

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