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牛歩庵―鍼灸師・中国語医療通訳/翻訳者のblog

「鍼灸はなんで効くの!?」「ツボって何?」

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新しい外国語の勉強を

これから新たに研究する分野の下準備として、かねてより興味のあったある言語を学ぶことにしました。まったくの独学です。

まずはアルファベットからですが、さっそく発音に苦戦しています。

広東語を独学で始めた頃の気持ちを思い出す。

大学を休学していた頃、早朝に新聞配達をして、帰宅後に眠らないように部屋をグルグル歩きまわりながら教科書を音読していました。

料理人が包丁を研ぐのと同様、自分にとって中国語の勉強とメンテナンスは当然のことです。

上達するのはうれしいことですが、少しずつ初心者の気持ちを忘れていくことにもなります。

初学者の気持ちに寄り添うことのできる教師であるために、自分もいつまでも初学者であり続けたいと思っています。

幸いにして、短い人生と比較して言語は無数にありますから、一生涯初学者でいられそうです。


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インプット病からのリハビリ

毎朝3km程度歩いているのですが、今日は夜にも同じくらいの距離を歩きました。

朝は「この時間を生かして」ということで、iPhoneのラジオアプリで中国語圏のラジオを聞きつつ、シャドウイング(音声に続いて同じ事をしゃべる、通訳の基礎トレーニングの一つ)をしています。最近はつぶやく声が大きくなってきて、面の皮が厚くなってきたことを感じます。嬉しいことです。

今夜は何もせず、ただ歩きながら物を考えることにしました。

歩くだけ、というがなんとなくもったいないのでは、と思ってしまうのはもはや一種の病気でしょうか。スキマ時間でとにかくインプットを、という欲にかられます。
昔は中断するのが惜しくて、歩きながら本を読んでいたこともありましたが、さすがに危ないのでやめました。

「考えることにする」、といっても人間は考えないことなどできないので、嫌でもいろいろと考えてしまいます。
とりとめのないことばかりが風景とともに流れていきますが、思考の川面に一本だけ竿を立てておくと、アイデアの塊がときどきひっかかることがあります。
それはほとんどの場合、ゴミやただの水草なのですが、時に素敵なヒントに化けることもあるのです。

家に帰って、覚えていて、なおかつ気が向けばどこかに書き留めておく。忘れてしまっていれば、それまで。
そのくらいの気持でいるのがちょうど良いと思っています。


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早すぎるわが子への謝罪

鉢植えのバジルを購入して、むしり取った葉っぱを料理に使っている。
家に置き始めた当初はなんだか葉っぱがだらーんとしなだれていたので、何が悪いのか、肥料がいるのかと頭をひねっていたけれど、ただ太陽に当てていなかったために元気がなかっただけのようだ。
朝、外に出してやるとたった一日でピンピンのツヤツヤになっていた。動物とか植物を育てるための知識が、もはや小学生以下になってしまっている。幼稚園児の方がもっとまともに世話できると思う。
 
生き物といえばムツゴロウさんこと畑正憲、最近著作を読みあさっている。
自分が生まれる前に出版された本がほとんどだから、ほとんどがAmazonで1円、古本屋で100円で投げ売りされている。極めてリーズナブル。本ほどその質と価格が比例しないものはこの世にない。
僕は胸を打たれた箇所のページに付箋を貼ったりカドを折ったりするのだが、『ムツゴロウの青春記』などは折り目だらけになった。ノートにも数ページにわたって書き写した。
 
畑氏の父親は独学で医学の勉強をして国家試験に合格した意志の人であるが、受験勉強中の生活費は妻や子供(正憲氏)が働いて稼いでいたという。正憲氏はその時代を振り返ってこう書いている。
 
[引用はじめ]
一番苦しかったのは父であったろう。息子たちを働かせ、しかも自分は金を使って勉強している。世間の常識とはまったく逆である。その精神的苦痛は想像にあまりある。
普通なら、
「ついに俺には達成できなかった。だから息子たちよ、お前たちが存分に勉強してくれ」
と言うはずである。これが現在の教育ママや教育パパの発想である。が、これほど自堕落な、愚劣な発想があろうか。
私はいくつになっても、ひたむきに生きる人を尊敬する。一ミリでも一センチでもいい、じりじりと夢へと這っていく人を。
息子に夢を託すというのは、生活の放棄であり甘えである。そういう心根で息子や娘に楽をさせても、ロクな結果が生まれるものか。現状にふさわしい所で、常に前を向いて歩くことこそ大切なのである。私は、自分の父が、家庭を一切顧みずに勉強したことを誇りたい位だ。
[引用おわり]
 
一年また一年と、生きてきた時間が長くなるにつれて、責任が増えてくるにつれて、「限界」がチラついてくる。
自分ほどの年齢の者がそんなことを思うのは笑止千万、人生の先輩たちに笑われてしまうだろうことは、十分理解しているはずなのだが、「私の人生ではここまでしかできないだろう、なぜなら…」という言い訳をいつのまにか用意し始めているのである。人生最大の敵はこいつである。
 
というわけで、僕は自分の子供(登場日未定)には苦労をかけることになると思うので、本人が不在の間にここで先に謝っておこうと思う。

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「何だったのだろう」が終わって

鍼灸の学校も卒業し、国家試験にも無事合格しました。

いわゆるライセンスを取るのは、もうこれで最後なのかもしれません。
免許というのは人間の世界の約束事、終わってみれば「何だったのだろう」という気持ちになります。

月も星も、何も変わらず回り続けている。ただ、少しだけ、美しく見えるようになったような気もする。


昨日、新しい家に引っ越しました。いまは段ボールの荷物ちゃんたちと仲良く同棲しています。
本一冊を取り出すのにずいぶん時間がかかってしまいました。

引っ越しの時にいつも困るのは本の処理です。別に蔵書家ではありませんが、
武器庫としての資料は欠かせません。結局ほとんど持って来てしまいました。

重たい箱を担いで階段を上り下りしている頭には、絶えず「電子書籍だったら…」というささやきが聞こえてきました。
電子書籍業界団体の脳波干渉(サイコジャック)か何かだったのでしょうか。

新しい場所に移ると、いつも夜遅くまで散歩してしまいます。
この街に落ち着き場所を持ちつつも、どこか他人の目、旅人の顔で風景を眺めることのできる、半透明の時期が好きなのです。

少しだけ、環境が変わりましたが、やるべきことは変わりません。

でも、何かをするのは「成功」とか「夢を叶える」ためとはちょっと違うのです。

微笑みながら世の中を眺められる度胸がほしい、という程度の望みでしょうか。

今、努力、が必要だとすれば、そういうモヤモヤをきちんと言語化するための努力です。

書く時間、読む時間を少しだけ増やすつもりです。

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後進を育てるということ

水曜日は反応点治療サークルがあります。

同級生たちと鍼を打ち合ったり、毎回いらっしゃるOBの先生方からアドバイスを受けられたりと、
毎週水曜日のこの時間にたくさんのことを学んできました。

いつのまにか私も三年生、最上級生なので、一年生への指導なども行うようになりました。
そもそも言葉で伝えてわかる、という性質のものではないので、説明してすぐできるようにはなりません。
自分で体得し、本当に手がそう感じて、動いて、頭に入っている知識と合致してようやく身についたといえるものです。

あまり私が手を出してもいけませんし、なかなか悩ましいところです。

今読んでいる『仕事が人をつくる』(小関智弘 岩波新書)という本にこのようなことが書かれていました。

自分を超えるような職人を育てられないようじゃ、半端職人だ

いまだ免許も持たぬ身で気の早い話かもしれませんが、後からついてくる人たちを育てるというのは、自分の技術を磨くのと同じくらい大切で、難しいことだと感じます。
自分があいまいなままで放っておいた課題を考えるきっかけにもなります。
むしろ私の方こそ育てられているのでしょうね。

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プロフィール

HN:
岡本悠馬
性別:
男性
職業:
鍼灸師・中国語翻訳者/医療通訳・講師
自己紹介:
神戸市須磨区妙法寺・南天はり灸治療院の院長・中国語翻訳者です。
2007年~2009年まで在外公館派遣員として中国上海に勤務。現在は翻訳者として活動しています。鍼灸では神経生理学に基づく治療を行います。反応点治療研究会所属。神戸市外国語大学非常勤講師。

手がけたもの:政治、軍事、経済、医薬、ソフトウェア取扱説明書、料理、紀行文、芸術展パンフレット、観光案内、中国語学習教材、古文(唐詩・宋詞など)、現代小説等。

メールアドレス:
okamotoyum★gmail.com(★を@に変えて送信)

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